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【寝取られ】不倫をしていた社長と嫁に、違法なやり方で地獄に落とした話【裏切り】

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名無しさんからの投稿
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まさか平穏な日常がこんなにも呆気なく終わるものだなんて思いもしなかったわ。
俺の場合、勤務中にいきなり嫁の会社の社長夫人から電話が入ったのが修羅場の始まりだった。
嫁の会社とは関連だから一応顔見知りではあったけど、だからと言って特別に親しくしていたわけでもない。
それが会社に直接電話を入れて来るのだから、相当な事情があるのだろうという事だけは何となく察しがついた。
でもまさか嫁の浮気話だなんて思いもしなかったわ。
とにかく
「時間を作ってくれないか」
と言われ、慌てて会社近所の喫茶店で話す事になったわけ。
のっけから何の挨拶もなしに茶封筒に入った調査報告書なるものを手渡された。
『COPY』と判が押してあったから多分複製だったんだろう。
プロの仕事らしく、丁寧に時系列にしてファイリングされていた。
内容の全容が明らかになるに連れ、持つ手が震えだしたのを覚えてる。
心臓がバクバクして視界が急に狭くなった。

それでも俺は現実をなかなか受け入れられず、何度も車でホテルに入っていく写真の女が嫁である事を確認した。
内容的には嫁と社長の浮気は不定期で偶発的なものだという事。
年に3~4回で常習的ではないという事。
途中の駅で待ち合わせ、社長の車でホテルへ行くというパターンが多いという事だった。
社長夫人は延べにして6年間も興信所の調査延長を余儀なくされたそうだ。
常習でない分、調査の裏付けに時間がかかったらしい。
具体的な金額は伏せるけど、都内で一軒家が建つぐらい調査費に突っ込んだというから凄い執念だと思う。
裁判沙汰になった時に言い訳出来ないように外堀を埋めたかったんだろうけど、慰謝料を考えたら完全に赤字だ。
俺に連絡してくれたのは、俺嫁にも慰謝料を請求するつもりだから一応連絡してきてくれたんだそうだ。
でも、その時は正直慰謝料と言われても俺はピンと来なかった。
夫人は会社の上場祝賀パーティーでの会話で浮気を疑いだしたらしい。
ちなみにそのパーティは立食形式で俺も参加していた。
俺と嫁と社長と夫人で立ち話していたのだが、社長がその場を離れる時に俺に向かって
「今日は二次会もあるから多分遅くまで嫁子さんをお借りする事になります」
的な事を言ったんだそうだ。
その時に社長が嫁にアイコンタクトしたのを見て疑念を持ったと言うのだが、俺は全く覚えてない。
夫人に覚えていないかと聞かれたけど、正直俺は立ち話した事すらすっかり忘れてしまっていた。
ただ1つ、微かに思い出したのは随分前に一度、帰宅途中に自宅の最寄り駅付近で嫁が誰かの車の助手席に座っているのを偶然見かけた事がある。
俺は帰宅後にそれを嫁に問い質したのだが、他人の空似で済まされてしまってそこで話は終わってしまっていた。
夫人は報告書を捲りながら、ある時から嫁を降ろす場所が変わっている事を俺に示してくれた。
俺の記憶と整合性が取れていると言って彼女は意気込んだが、俺はまだ心の準備が出来ていなかった。
「俺自身の身の処し方もあるから少し考えさせて欲しい」
と言ってそこで別れた。
夫人に報告書を持ち帰るよう言われたが、見つかったら困ると思って断った。
帰りの道中、家が近づくに連れて足取りが重くなった。
俺は最寄りで見た車中の嫁の姿を必死に思い出そうとしていた。
どんな表情をしていたのか、運転席には誰が乗っていたのか、いくら記憶を辿ろうとしても駄目だった。
その時はまさか嫁の浮気なんて疑念は微塵もなかったのだから無理もない。
帰宅すると、娘が模試で初めて志望校合格圏に入ったのだと嫁が凄く喜んでいた。
嫁の表情からは罪悪感など微塵も感じられなかった。
俺が手渡された模試の結果に目を通していると、嫁に促された娘が照れくさそうに自室から出てきた。
俺は
「絶対に志望校は無理だと思ってた」
と言うと、嫁は
「頑張ったもんね」
と娘の肩を叩いた。
思春期ですっかり俺と会話を交わさなくなった娘はそれでも喜びの表情を隠さず、これから克服すべき点を饒舌に説明してくれた。
意気揚々と自室に戻っていく娘を見送りながら、こうやってどんどん子供は成長していっちゃうんだなと見当外れな事を呟いた。
あとたった5年で20歳だと嫁が答えた。
娘の成人した姿を思い浮かべた。
例の一件が過ぎって複雑な胸中でいると、
「娘が出ていっても私が居るじゃない」
と言って背中を叩かれた。嫁の表情に嘘はないように思えた。
いや、むしろ社長夫人が何らかの悪意を持っていて捏造した情報を俺に提供してきたのでは?という疑念さえ湧いてきた。
やっぱりあの報告書をもらっておけば良かったと後悔した。
結局、1人じゃ抱えきれずに俺がいつも頼りにしている親友に相談してみる事にした。
ちなみに親友は飛ぶ方の整備士をやっている。
アマチュア無線とドライブが趣味だが基本的にそれ以外の物欲がなく、極めて質素な生活を送っている一風変わった奴だ。
独身で年収もそこそこ。
はっきり聞いた訳ではないが、多分800万ぐらいなのではないかと推察する。
恥ずかしながら母親が病床に伏している時、彼に金を無心した事がある。
嫌な顔1つ見せずに彼は無利子の無期限で決して少なくない金を貸してくれた。
もちろん完済しているが。
俺の説明をじっと聞いていた彼は、
「自分は女の気持ちには疎いからアドバイスは出来ない」
と言った。
その代わりに
「興信所を運営している無線友達に会ってみてはどうか」
と薦められたが、俺は一応社長夫人の6年分の調書があるからと断った。
彼に、
「ならどうして訪ねてきたのか。その報告書で納得出来ないから来たのではないのか?」
と言われ、返す言葉が無かった。
興信所を運営しているというその人は思っていたより年配だったが、凄く親切に対応してくれた。
仮にその人をAさんとする。
Aさん曰く、価値観や性癖は人それぞれなので不用意な助言は出来ないそうだ。
しかし、浮気現場の会話からなら真偽を特定する事は可能だろうと言われた。
少なくとも俺の腹を決めるにはそれが一番ではないか?と言われ、
「盗聴ですか?」
と俺は聞いた。
Aさんは隠すこと無く、それを知るにはある一定の不法行為は不可避だと言った。
しかし本ケースの場合、逢引きする場所がほぼ同じホテルである事から、準備はそう難しくないだろうと言われた。
ただそれには俺の協力も伴うし、下手をすれば訴えられる危険性も少なからずあるという。
金額は1回200万円。ただし、浮気当日だけの費用で良いという。
一瞬法外だと思ったが、不法性を考えれば適当な額の様にも感じた。200万なら辛うじて何とかなる額だ。
Aさんは俺にいくつか条件を出した。
契約期間中は家庭内でいつもと同じ夫としての自分を演じきる事。
会話もいつもと同じようにする事。
夜の回数も減らさない事。
嫁の作った食事もきちんと取る事。
それと、嫁の居場所を随時特定出来る様に、携帯を15分ほど拝借させて欲しいという事だった。
それだけ念を押され、俺はその場を後にした。
1回目の浮気は2週間後に訪れた。
社長夫人から受けた報告では最短で3ヶ月のスパンと言われていたので完全に意表を突かれた。
携帯にAさんから連絡が入り、慌てて親友と待ち合わせてホテルへ直行した。
極度の緊張でアクセルを踏む足がおぼつかなくなり、察した親友が運転を代わってくれた。
部屋の一室を借り切った設備は、盗聴ではなく紛れもなく盗撮用設備だった。
大型のモニターはまだ誰も居ないホテルの一室を映し出していた。
複数のカメラが設置してあるのか、画面は幾つかのアングルに分割されていた。
200万の法外な契約料の意味をようやく理解した。
恐らくAさんはホテルのオーナーに話をつけていたのだろう。
口の中がカラカラに乾いて吐きそうになった。
もうすぐこのモニターの向こう側で嫁の浮気を目の当たりにするというのだから動揺するなという方が無理だった。
しばらくしてAさんの携帯が鳴った。Aさんは俺に向かって
「奥さん今(ホテルに)入ったって」
と小声で言った。
俺は胃液が逆流しそうになるのを辛うじて堪えながら妻達の入室を待った。
ドアノブが動き、カチャッと乾いた音をがすると、ゆっくりとドアが開いた。
モニターに手を繋いで入室する二人の姿が映し出された。
もはや疑い様もなかった。
嫁と社長は寄り添う様に衣服を着たままベッドに横たわった。
2人は抱擁し合いながら何度かキスを繰り返した。
あまりの光景に眩暈がして気が遠くなった。
親友はそこで席を立ち、車で待ってると言って出て行った。
そこから先は完全に頭に血が昇って漠然としか覚えていない。
多分最初は会社の話とかしていた様な気がする。
はっきり覚えているのは、行為の最中に社長が嫁に向かって何度も
「愛してる?」
と問いかけ、嫁に
「愛してる」
の言葉を言わせていた事ぐらい。正直、これは相当精神的に堪えた。
頭に血が昇り過ぎたのか、激しい頭痛で卒倒しそうになった。
盗撮終了後、車に戻った疲労困憊の俺を見かねた友達が、ギブアップした方が良いんじゃないか?と言ってきた。
金は友達が立て替えてもいいとも言ってくれた。
しかし、気持ちは有難いけどこっちも意地があった。
契約を延長する事にして、その日はそれで終了した。
翌日社長夫人と会い、1年だけ時間の猶予が欲しいと頼んだ。
親権を取るために色々準備したいと説明したら彼女は凄く俺に同情して容認してくれた。
しかし、問題はAさんに言われたいつも通りの自分を演じるという約束だった。
食事は無理に詰め込んで誤魔化したが、夜の方はどうしようもなかった。
盗撮映像で見た嫁の「愛してる」の一言がどうしても脳裏を過ぎった。
それでもバイアグラで無理に起たせてコトに及んだ。
薬の副作用なのか、行為の最中血流が乱れて激しい頭痛に見舞われた。
2度目の浮気は報告書通り3ヵ月後。しかし残念ながら撮影は空振りに終わった。
使用したのがいつものホテルではなく、スタンバイが間に合わなかった。
しかし料金は5万で済み、安堵した事も付け加えておく。
それより問題は俺の健康状態だった。
さすがに精神的な支障をきたし始め、嫁がこさえた飯が喉を通らなくなった。
必然的に夜も完全に無理になった。正直、会話をするのも億劫になった。
とにかく嫁と顔を合わせるのが嫌で、休日は1人で田舎へドライブに出かけ、そこで過ごすようになった。
嫁がうつを心配して病院に行ったらどうかと言ってきた。
まさかお前のせいだとも言えないので会社が忙しいからと言って誤魔化した。
どうしても無理ならあなた(俺)が会社を辞めても私の稼ぎで何とかするからと励まされた。
正直、少し意外だった。多少の良心の呵責はあるのかもしれないと思った。
そのせいもあってか3回目の浮気の兆候は半年が過ぎてもなかなか現れなかった。
間もなく社長夫人との約束の1年が近づいてきて流石に焦り始めた頃、ようやくAさんから連絡が入った。
今度は間違いなくいつものホテル行きそうだという。
1回目と同じ設備で埋め尽くされた部屋で嫁と社長が入室するのをじっと待ち続けた。
俺はこの1回で契約を終了しようと心に決めていた。もう身が持たないからだ。
嫁と社長が入室してきたが、意外な事に会話の冒頭は関係解消の話からだった。
俺にうつの兆候が出ていて心配だという事。
もしかしたら自分たちの関係がバレたのかもしれないという内容だったと記憶している。
しかし社長は、バレる訳がないと一笑に付した。
「仮に興信所に依頼したとしても半年に一度の関係を立証する事は不可能だ」
と言いながら、慰める様に嫁を抱き締めた。
どうやら社長は奥さんが6年もかけて浮気を立証している事など微塵も疑っていない様子だった。
嫁は、
「もういい加減、良妻賢母を演じる事に疲れた」
と言った。
だから関係を解消したいと言った。
これを聞いて、情けない事に俺は号泣してしまった。
俺と結婚してからの長い年月、良い嫁だと思っていたあの姿は全て演技だったのかと知った瞬間、我慢しても涙が止め処なく流れ落ちた。
子供と一緒に旅行に行ったあれも、俺の母親が逝った時に泣いてくれたあれも、全ては演技だったのかと思うと騙され続けていた自分が途方もなく無価値な存在に思えてきた。
社長は
「仮にバレたとしても俺は嫁を捨てる事は出来ないだろう」
と言った。
「常習ではないし、子供の養育を考えたら最終的に嫁の稼ぎを当てにせざるを得ないだろう」
と言った。
「バレた時点で関係を解消すればいい。非を認め、ひたすら謝り倒せば再構築の道を選ぶに決まってる」
と言いいながら、社長はさりげなく嫁の服を脱がしにかかった。
「嫁子をここまでに育てたのは俺だ」
と社長は言った。
同時に、
「自分が耕した畑に自分の種を蒔いて何が悪い」
とも社長は言ったが、俺はその言葉の本当の意味を理解出来ていなかった。
途方もなく長い時間が流れた後、社長は自分の種をその畑とやらに放ち、モニター越しに意味を突き付けた。
俺は白濁色の種が映し出された所でギブアップし、契約は終了となった。
余談でかなり昔の話になるが、夜分遅く帰ってきたきた嫁の寝床に潜り込んだ事がある。
その時ヒステリックに拒否された事を思い出した。
翌晩、
「昨日は精神的に疲れていたからごめん」
と謝りながら俺の寝床に入ってきたら忘れかけていた。
あれは社長の痕跡が残っていたからなのだろうと思い当たった。
俺はそうやって長きに渡って裏切られ続けてきたわけだ。
俺に同情してくれた親友が、
「今日の料金は自分が立て替えてやる」
と言ってくれた。
Aさんは、
「この動画はあくまで奥さんの浮気の真相を確かめる為に撮影されたものなので、譲渡する事は出来ない」
と言った。
不法性の高いものだから、俺がその映像を盾に嫁を脅す可能性を懸念したのだと思う。
当然の事だと思った。事実、きっと俺はそうしていただろう。
Aさんは、
「しかし、どうしても復讐しないと気が治まらないというなら連絡してきなさい」
と言った。俺が
「どういう事ですか?」
と聞くと、
「内容は教えられないが、比較的安全な方法で精神的に追い込む事は可能だ」
と言う。
しかし、それでも少なからずリスクを伴うからそれなりのモノはもらうと言われた。
俺は承知してその場で別れた。
翌日、社長夫人に例の調査報告書を提出してもらって構わないと連絡を入れた。
夫人は自分から先に話をつけさせて欲しいと言うので、俺はとりあえず彼女の動きを待った。
数日後、勤務中に夫人から携帯に連絡が入り、昨晩報告書を夫(社長)に見せた事と弁護士同伴で慰謝料の請求を行っている事を告げてきた。
少し胸がすく思いだった。
帰ると嫁が青い顔をして待っていたが、俺は素知らぬふりをしてテレビを点けた。
しばらくすると嫁が俺の前に静かに座り、土下座した。
「浮気してました、すいません」
と搾り出す様な小さな声で言った。
肩を小刻みに震わせていたが、それも演技に思えて許す気持ちになれなかった。
双方の気分が高揚している時に短絡的に関係を結んでしまったという言い訳は、夫人の上場祝賀パーティでの話と合致するが、だからと言って許す理由には全くならない。
嫁は常習ではない事に活路を見出そうと必死だったが、映像で一部始終を目の当たりにした俺には無意味だった。
俺は
「今さら責める気はないけど、せめて親権をくれるぐらいの良心があると信じたい」
と突き放した。
嫁は離婚だけは許して欲しいと泣きながら嘆願してきた。
「そうやってずっと演技し続けるのも疲れただろう?」
と俺は言った。嫁はハッと驚いた表情をして俺を見上げた。
この人はどこまで知っているんだろう?という猜疑心に満ちた目だった。
俺は自分のサインを入れた離婚届を彼女の前に差し出し
「お互いに楽になろう」
という言葉を残して自室に入った。
嫁は最後まで離婚を渋った。もう1回だけチャンスが欲しいと食い下がった。
中学生になる2人の子供(長女中3、長男中1)は母親の不貞を知り、幻滅した様子だった。
特に嫁に懐いていた長女は汚い女だと激しく罵った。
しかし意外な事に子供は再構築を望んでいる風でもあった。
娘に離婚になったら俺についてきてくれるかと聞いたら、あんなでも私にはたった1人の母親だからと言われた。
俺への愛情は偽りであっても、子供に対する愛情は本物だったのかもしれない。
数ヶ月が過ぎたある日、家に帰ると妻のサインが入った離婚届がテーブルに乗っていた。
俺がどうしてもと言うなら仕方ないので離婚しますと彼女は言った。
同席していた2人の子供を見ると、気まずそうに下を向いていた。
そういう事か・・・。
と俺は全てを察しながらあえて
「お前たちはどうするんだ?」
と言った。
ケジメだと思ったからあえて自分の口からそれを言わせたかったのもある。
「ごめん、私達お母さんと離れる事が出来ない」
と娘が言った。俺は無言の息子にも
「お前もか」
と言った。息子は小さく頷いた。
そして俺は嫁の顔を見た。冷徹な嫁の視線がそこにあった。
(ほらね、結局こうなるのよ)と言いたげな勝ち誇った表情に、居たたまれなくなった俺は負け犬の様に離婚届を掴むとそのまま家を出た。
悔しくて情けなくて公園の公衆便所に閉じこもってひたすら泣いた。
翌日、実家に帰り、年老いた父に離婚を告げた。
すっかり涙もろくなった父はそれを聞いて目頭を押さえた。
可愛いがっていた孫にもう会えなくなると思ったのだろうと思うと、少しだけ離婚に踏み切った事を後悔した。
しかし全ては後の祭りだ。
だからと言って嫁のところに頭を下げるつもりはさらさらなかった。
妹にも携帯で離婚を告げた。
憔悴しきった自分を見せたくないから携帯で済ませようと思ったんだ。
すると、妹に怪しいと思っていたと言われて驚いた。
母の葬儀の時に手伝ってくれていた嫁が手が空いて、妹と一緒に何となく昼のドラマを見ていたそうだ。
それがちょうど社長と社員の不倫の話で、妹が
「こんなこと現実じゃ怖くて出来っこないよね」
と言ったら、嫁の視線がちょっとだけ泳いだそうだ。
社長夫人といい、女の嗅覚は凄いんだと改めて思い知らされた。
結局、全てが嫌になった俺は会社を辞めた。
全てリセットしたくて携帯も銀行口座も変えた。
あとで、妹から嫁が慰謝料を払いたいと言ってきてると連絡が来た。
俺が頑なに離婚を譲らないから子供と組んで賭けに出たのだと言っていたらしい。
妹が兄は行方不明だと告げると、自殺してしまったのではないかと心配していたそうだ。
しかし今さらそんな事はどうでもよかった。
とにかく俗世と離れたかった俺は当てもなく東北に向かい、最終的にそこに定住した。
月収11万の水道検診の仕事で何とか食い繋いだ。
さすがにそれじゃ足りなくて日給1万円で水曜日だけボロアパートの管理人の仕事をする事にした。
老人ばかりのアパートで最初は辟易したが、住人が思いのほか俺を可愛がってくれた。
残ったおかずや使わない贈り物やらを俺にくれて、大いに生活に役立った。
妹も気にかけてくれて、フリマで見つけた服を俺に送ってくれたりした。
久しぶりに訪れた安穏の日々だった。
しかし、残念ながら良い事ばかりでもなかった。
父が町会の草刈の途中で倒れ、そのまま逝ってしまった。
多分、俺の事での心労もあっのだと思う。
一応訃報は妹経由で嫁宅にも知らせたらしいが、嫁はともかく2人の子供も葬儀には顔を出さなかった。
父の葬儀の時に、妹から嫁が副社長に就任している事を聞かされた。
「社長が罪滅ぼしに昇進させたのかな?」
と俺が言うと、
「社長側は離婚回避したのだから多分そうだろう」
と妹が言った。社長夫婦が再構築したという話は初耳だった。
妹宅に尋ねてきた時に知らされていたらしい。
ようやく落ち着きかけていた心が、再び怒りに侵食されていった。
生まれて初めて芽生えた激しい憎悪に夜も眠る事が出来なかった。
いよいよ我慢出来なくなった俺は、親友にそれを話した。
一連の騒動で俺に同情してくれていた親友は、復讐するなら協力すると言ってくれた。
元々一人暮らしで物欲のない彼は、金も無利子で貸してくれるという。
俺はAさんに久しぶりに会う事にした。
Aさんは、復讐として某アダルト動画投稿サイトにタグを全くつけずに例の映像をアップするんだそうだ。
そして、動画のアップ先を会社のメインクライアントのインフォメールに送信すると言う。
リスクは伴うが、訴えられる可能性は低いとアドバイスされた。
訴訟を起こすと知らない人まで話が広まる可能性があるから、大抵の場合は動画削除で話が終わるんだそうだ。
1発目の動画は目線にモザイクを入れて、親しい人以外には本人だと分からない様にする。
しかしその動画はすぐに削除依頼が来るはずなので、2発目の動画に引っかかりやすいタグを付け、今度はモザイクなしで大衆の白日の下に晒してみようという事になった。
かなりハイリスクなので、最低でも1千万は欲しいと言われた。
法外な額だが親友は金の心配はするなと言ってくれた。
俺は依頼要請し、仕事があるので再び東北へ戻った。
数日後、Aさんから動画を打ち合わせ通りアップしたというメールが送られてきた。
正直、人を貶める事に慣れていない俺は激しく動揺した。
せっかく安穏の日々を手に入れた矢先に、あえて再び心がささくれ立つ事をする必要があったのかと自問自答した。
かえって、決して消える事のない心の傷を負ってしまうような気さえした。
そして、3日後に妹から連絡が入った。
元嫁が血相変えて妹のところに駆け込んできたそうだ。
「途方もない損害賠償を課せられる事になりそうだから、居所を教えて欲くれないか」
と、掴みかからんばかりの勢いで言ってきたらしい。
妹は、
「たとえ連絡先を知っていたとしても、全てを失った今の兄にそれは何の脅しにもならないだろう」
と答えたそうだ。
「親権まで奪わなければ兄もそこまでしなかったはずだ」
という言葉で、嫁は諦めて帰って行ったらしい。
案の定、1発目の動画はすぐに削除された。
Aさんがその直後に2発目の動画を発射しましたとメールを送ってきた。
数週間後、Aさんから連絡が来て、社長夫婦が離婚訴訟沙汰になっていると聞かされた。
会社の経営も思わしくないらしい。
Aさんの調査によると、嫁の会社は増益を見込んで銀行から相当な資金を借り入れ、設備投資をしていたそうだ。
例の動画が知れ渡った事が原因なのかは不明だが、かなり契約社員の足切りが行われている様だと教えてくれた。
ほぼ同時期に、妹からも嫁の手紙を預かっていると連絡が来た。
動画を目の当たりにして自分がしてきた事の罪深さを痛感しているという事。
自分が報いを受けるのは当然だという事。
しかし子供たちに罪はないという事。
今、学校で動画が明るみに出て、子供たちが学校に行けないでいるという事。
どうかこれ以上、子供たちを苦しませる事は止めてほしいという内容を妹が口頭で読み上げてくれた。
すっきりしたくて行動したはずが、何故か心は晴れなかった。
きっと人を呪わば穴二つとはこの事を言うのだろう。
Aさんは動画が削除される度にアカウントを変え、執拗にアップロードを繰り返した。
走り出した以上、もう止めたところで仕方がないと思い、Aさんのするように任せた。
数ヵ月後に妹からまた連絡が入った。
いよいよ会社が倒産するらしいとの事。小額ながら不渡りを出したらしい。
役員に昇格していた嫁も借り入れの保証人になっているらしく、かなり窮地に立たされていた様だ。
子供は嫁の実家に預けたらしいと教えてくれた。
しばらくして社長夫人が物凄く俺に会いたがっていると妹から連絡が来た。
どういう経路で妹の居場所を突き止めたかは不明だが、突然尋ねてきたらしい。
社長が会社の屋上から飛び降りたそうだ。
しかし妹が言うには夫人は怒ってはおらず、むしろ俺の事を戦友だと思っているとの事だった。
そこまで会いたがっているのならと思い、会ってみる事にした。
元夫人は思いのほか元気そうだった。
会うなり彼女は
「ザマーみろよね!」
と言ってガッツポーズをしながら、実に清々しい笑顔を見せた。
例の映像を見て離婚を決めたらしい。
「本当よくやってくれたわ。ありがとう!」
そう言いながら俺の両手を掴んで何度も礼を言われた。
彼女の笑顔を見て少し報われた気がした。
「あの人(社長)は今さら人の下に付いて働くなんて、プライドが許さなかったのね」
と彼女は呟いた。
そして(死へ)逃げたのよと付け加えた。
「その点、元嫁は地方で地味に働いていて偉いと思う」
と言われ、初めて元嫁が何処かに働きに出ている事を知った。
地方ショッピングモールの衣料量販店で働いているらしい。
元夫人は悪戯そうな目つきで
「行ってみない?」
と言った。
「どこに?」
と聞くと
「決まってるじゃない」
と、いかにも楽しそうに笑った。
元夫人は俺の返事を待たずに俺の腕を取ると、そのまま彼女の軽自動車に乗せられた。
元社長夫人とはいえ慎ましい生活を余儀無くされている状況が車種からも見てとれた。
3時間近く車に乗っていたが、終止元夫人は鼻歌交じりの上機嫌だった。
きっとかなり旦那(社長)には苦しまされてきたんだろうという事が窺い知れた。
車を駐車場につけると元夫人はすかさず俺に腕を絡めてきた。
ドキドキしながらそのまま店に入ったが、店員に嫁の姿は見当たらなかった。
「時間が違うのかな?」
と俺が言うと、元夫人が奥を見てという風に顎で試着室の方を指した。
視線だけそっちに送ると、嫁と目が合った。
合った途端に嫁が慌ててばつが悪そうに視線を逸らした。
制服がそれなりに似合っていると思った。
元々スタイルはそこそこ良かったから、歳がいっていてもそれほど違和感はなかった。
元夫人はヨレヨレになった俺のジャンパーの袖を摘みながら、新しいの買った方が良いわねと意味深な目付きで俺を見た。
そして適当な物を見繕い、手に取ると、
「買ってあげるから試着してみなさいよ」
と俺にそれを手渡した。
俺が躊躇していると、ホラと俺の背中を押した。
俺が近づくと元嫁は怯えた表情を見せ、狼狽えた様に後退りした。
その仕草で彼女がどれだけ精神的ダメージを負ったのかよく分かった。
いざ試着してみるとひと回り小さく、もう1サイズ大きいものを頼もうとしたら、元嫁が既に用意して待っていた。
そういえば、俺の服は彼女がほとんど買っていたのを思い出した。
嫌味の一言でも言ってやろうと思っていたが、彼女と共に過ごした長い年月を思うとその気持ちも萎えた。
レジで会計をを済ませると、元夫人がわざとらしく再び腕を絡めてきた。
そしてそのまま背中に元嫁の視線を感じながら店を出た。
彼女がどういう表情をしているのか気になったが、最後まで振り返る事は出来なかった。
ショッピングモールを出ると元夫人が
「あースッキリしたー!」
と言って天を仰いだ。空は雲1つ無い晴天だったけど、全然心は晴れなくて
「俺はあんまり」
という言葉が自然と口から出た。
元夫人に
「人がいいのねぇ」
と呆れられた。
彼女と別れてから帰りの新幹線の中でよく考えてみた。
冷静に考えてみれは、別に元嫁や子供をあそこまで地獄に落とさなくても、俺は俺で会社なんか辞めずに慰謝料をもらって、そこからもう一度再出発してれば良かったんじゃないかって。
相手を貶めても得られるスッキリ感はほんの一瞬、別に自分が浮かばれる訳じゃない。
まぁ、これからは親友に借りた金を少しずつ返済しながら生きていくつもりだ。
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